デトラニ氏
北朝鮮の韓成烈(ハンソンリョル)外務次官らが10月末にクアラルンプールで米政府の元当局者らと協議した際、「安全保障上の懸念から核兵器が必要だ」と述べ、米側が求める核放棄には応じる考えがないことを伝えていたことがわかった。一方で、北朝鮮側は来年1月に発足する米新政権下でも接触を続けていくことを確認した。
協議に参加したデトラニ元6者協議担当大使と米社会科学研究評議会のシーガル氏が2日、それぞれ朝日新聞記者の取材に応じ、交渉内容を明らかにした。
北朝鮮側が、核兵器を援助などを引き出す外交カードではなく、体制維持の手段と捉えていることを裏付けた発言で、今後も核実験を続けていくことを改めて表明した形だ。ただ、交渉継続には前向きな姿勢を示したことで、米次期政権に、朝鮮戦争の休戦協定を平和協定に変える交渉などの対話を呼びかける可能性を示唆したとみられる。
2人はガルーチ元国務次官補と…