最近、春節(旧正月、今年は2月12日)が近づく中で呼びかけられる「今いるところで年越し」が、人々の経済や暮らしに与える影響に大きな注目が集まっている。東呉証券の戦略チーフアナリストの姚佩氏は研究報告書「消費の春節を生産の春節として過ごす」を発表し、「今いるところで年越し」がマクロ経済や関連産業に与える具体的な影響を考察した。「新華日報」が伝えた。
姚氏によると、2020年第1四半期(1-3月)の経験が参考になる。「今いるところで年越し」の消費サイドへの影響は昨年の状況が参考になるが、生産サイドにとってはこれまで経験したことのない新たな状況だ。今年の春節は単に「消費の春節」ではなく、「生産の春節」でもあり、今後の経済情勢に影響を与えるとみられることを意識しなければならない。株式市場がこうした状況をどのように評価するかは、今後1ヶ月間の株価の動きからはっきり読み取れるだろうという。
全体としてみると、「今いるところで年越し」は大規模な労働力の流動が起こらないこと、生産地で春節前後の労働力のロスが大幅に減少することを意味する。さらに比較の対象となる20年の基数が低いため、今年1-3月の工業生産額と国内総生産(GDP)は市場の予想を大幅に上回ると期待される。
生産サイドについて、産業チェーンの需給を考えると、労働集約型の川中の製造業の生産が最も持続的に行われるとみられ、これによって川上の基礎材料のニーズが増加し、末端の製造業は製品の需要の持続可能性を見極める必要がある。収益の幅を大きい順に並べると、川中の製造業(機械、建築)>基礎材料(鉱業、非鉄金属、鉄鋼、化学繊維)>末端の製造業(電子設備、家具)になるとみられる。労働力の人数を考えると、建築業が最大の受益者になり、そのほかには基礎材料、鉱業、非鉄金属、鉄鋼の各業界が受益者になる見込みだ。川中の製造業では汎用設備と専用設備、川下の製造業では電子設備と家具が受益者になるとみられる。
「今いるところで年越し」の消費サイドに与える影響は20年の感染症のピーク時に似ており、恩恵を受ける3大業界は生活での必需品、医薬品・防疫用品、オンライン教育・娯楽になるとみられる。20年と異なる点は、21年の春節では勤務地で旧正月を迎えること、都市部での生活必需品の消費の伸びが最も目立つこと、消費サイドでデリバリーと物流が最大の受益者になるとみられることだ。(編集KS)
「人民網日本語版」2021年1月28日