9.1%!中国の今年10月の金融データをみると、狭義のマネーサプライ(M1)の前年同期比増加率がことのほか目を引いた。今年1月の同増加率は0%だった。0%から9.1%へ、M1は上昇カーブを描き、回復中の中国経済のようで、ここから活発に躍動する中国の姿がうかがえる。新華社が伝えた。
M1、この専門的な響きのある金融用語は、わかりやすく言えば「活きているお金」のことで、中国の経済運営に直接関わるものだ。普段、私たちの衣食住交通の暮らしで使う現金、企業が銀行に預けている普通預金はいずれもM1に含まれる。中国のマネーサプライ「3兄弟」(M0<流通現金>、M1、M2<広義のマネーサプライ>)の「次男」であり、個人消費が旺盛で、企業の経営活動が活発に行われていれば、この数値は上昇する。
データの上昇・低下の「原因」を考えてはじめて、経済発展の「勢い」が明確になる。M1を構成する要素のうち、企業の普通預金が約80%を占める。企業はどんな状況で普通預金が増えるだろうか。預金するお金がある時、そしてこのお金がいつでも使える時だ。
MIが上昇カーブを描けば、経済が回復していることを物語る。企業の「活きているお金」の重要な出所は私たちのする「買い物」だ。0%から9.1%へと躍動する数字は、経済が活発になり、より多くの資金が消費や企業の拡大再生産に向かったことを示す。10月の中国の経済運営の成果には注目すべきデータがある。外食の売上高が4372億元(約6兆9377億元)に上り、前年同期比0.8%増加し、増加率が今年初めてプラスになった。外食だけでなく、商品の小売額が同4.8%増加し、4ヶ月連続でプラス成長を達成した。
M1カーブの上昇は、未来へのポジティブな予期を示す。企業が資金を普通預金に預け続けるのは、手元に資金を置いておきたいからだけでなく、未来のポジティブな予期を行い、投資と取引ニーズのために流動性を残しておきたいからでもある。予期が悲観的であれば、企業は資金を定期預金に回そうとするものであり、そうなるとM1の増加率は低下する。
わずか10ヶ月間で、M1は急速に回復した。その背後には、全国が心を一つにして感染症を抑制し、好材料となる政策が難関を乗り越えようとする企業の地道な努力をしばしば支援したことがある。「六つの安定」(雇用の安定、金融の安定、貿易の安定、外資の安定、投資の安定、期待の安定)の任務を着実に行うための各政策措置が持続的に力を発揮するのにともなって、消費が日増しに増加し、企業の経営が回復し、経済が再び活力をみせるようになった。
中国経済の活力が増強されるのをしっかり見ると同時に、私たちは中国経済のこれから行く道にはなお多くの挑戦や困難が横たわること、引き続き努力して持続的回復の基礎固めをしなければならないことも、しっかり見なければならない。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年11月19日