政務活動費(政活費)不正で12人が辞職したことに伴う富山市議会(定数40)の補欠選挙が6日、投開票された。不正発覚前の欠員1を加えた被選挙数13に対し、すべて新顔の25人が立候補していた。任期は来年4月まで。
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補選の候補者の党派別内訳は、共産2、維新3、社民3、諸派1、無所属16。10人が辞職した自民は公認候補の擁立を見送ったが、無所属の6人を推薦・支持した。同様に辞職者を出した民進も擁立を断念した。
開票の結果、共産2人、維新2人、社民1人、無所属8人が当選した。自民が推薦・支持した当選者は無所属8人のうち5人だ。
投票率は26・94%で、2013年の市議選の53・05%を大幅に下回った。自民党富山県連幹部は低投票率の理由について「候補者はまだ実績のない新顔ばかりで誰に投票していいか分からなかったのでは」とみる。政治不信から投票しなかった有権者もいた。
自民は問題発覚前の7月末には28議席を占めていたが、補選前は立場上会派を離れた議長、副議長を加えても18議席。自民が推薦・支持した当選者5人のうち3人以上が会派に入れば過半数を維持できる。ただ、現時点で自民会派に入ることを表明しない人もおり、今後の動向が注目される。自民が過半数を割れば2005年に合併で現在の富山市議会の構図ができて以降、初めて。
来年4月に定数38で任期満了に伴う市議選がある。自民は「政活費問題は一区切りついた」として失った議席を回復したい考え。中川忠昭・県連幹事長は「地域からしっかりした候補者を上げてもらい、市議会での安定多数を目指す」。
一方、不正で辞職して離党したある元自民市議は「謹慎中」の今も支持者から立候補を求められるという。補選には地元から自民の支持する無所属候補が出たが、「来春、出ろという声が強まれば無所属でも出馬を検討する」と強気だ。(吉田真梨、松原央)