東京・明治神宮外苑のイベント会場で展示物が焼けて5歳の男児が死亡した火災で、出火当時、この展示物を傍らで管理していた学生4人のうち数人は、立ち会いの経験がなかった。捜査関係者への取材でわかった。警視庁は、安全管理や設営の手順を知らない学生がいた可能性があるとみている。
火元となったジャングルジム形の展示物は、日本工業大学の学生らが作製。捜査関係者によると、会場では複数の学生がローテーションを組み、展示物の設営や案内、作品で遊ぶ子どもたちの安全管理などを担当していたという。火災があった6日夕の当番は4人。うち数人は初めてこの役割を担う学生だった。教員はいなかった。
今回の火災は、本来は展示物内で使わない白熱電球付きの投光器がライトアップに利用され、この電球の熱が出火原因となった疑いが強まっている。学生らは警視庁の調べに「前日になかった投光器が6日には置かれていたので、コンセントに差した」「この日初めて、作品内で投光器を使った」などと説明。投光器は夜間作業用だったのに、学生らが本来の用途を理解していなかった可能性があるという。