七回裏早稲田実無死一塁、2点本塁打を放ち生還した野村(左)と喜ぶ一塁走者清宮=金川雄策撮影
第47回明治神宮野球大会第4日は14日、高校の部の準決勝があり、早稲田実(東京)が福岡大大濠に6―4で勝ち、第11回大会(1980年)以来、3度目の決勝進出を決めた。優勝は第7回大会(1976年)にしており、2度目の頂点を狙う。
【動画】早稲田実の1年生野村が豪快な一発
早稲田実は4番野村が3安打4打点と打線を引っ張った。一回、先制の中前適時打を放つと、三回は左越え適時三塁打。1点差に詰め寄られた七回には、カウント2ボールから内角の直球を豪快に左翼スタンドに運んだ。「打った瞬間に行ったと思った。直球を狙っていた」。高校通算23本目の本塁打で、清宮が1年生で記録した22本を越えた。「清宮さんからも『超えたなあ』と言われました」とうれしそうだった。
この日の清宮は、二塁手のグラブをはじく二塁打に4四死球と全打席で出塁。そのチャンスを野村が着実に得点に結びつけた。清宮は「自分が打たなくても後ろにつなげば、何とかしてくれる」と野村の存在を頼もしく感じている。和泉監督も「清宮と対戦したあとで相手投手の失投が生まれている。ただ、それを仕留められるのは野村の実力」と1年生4番をたたえた。
決勝に向けて、主将の清宮は「勝てば優勝ではなく、目の前の試合を勝つことだけを考えてやりたい」と話した。(坂名信行)