共同記者会見に臨むオバマ米大統領(左)とギリシャのチプラス首相=15日、アテネ、山尾有紀恵撮影
オバマ米大統領が15日、訪問先のギリシャで「『自分たち』と『彼ら』を隔てるような、粗野なナショナリズムや民族主義の台頭を防がなければならない」と呼びかけた。米大統領選でのトランプ氏勝利で各国に疑念が広がる中、任期中最後の外遊で同盟関係の継続をアピールし、ポピュリズムの台頭を戒める。
特集:ドナルド・トランプ氏
オバマ氏はアテネでパブロプロス大統領と会談。「強固な北大西洋条約機構(NATO)は米国で政権が移行しても継続する最も重要なものだ」と述べ、同盟関係が不動だと強調した。NATOについて「時代遅れだ」などと発言してきたトランプ氏を念頭に置いた発言だ。
また、チプラス首相との共同記者会見では、英国が欧州連合(EU)脱退を決めた国民投票や、トランプ氏の勝利について「不満や怒りを鎮める新しい処方箋(しょほうせん)になるのかどうかは、時間が教えてくれる」と突き放し、二つのできごとの共通点として、「グローバル化」による人々の不安や不満があると述べた。
トランプ氏については「その言行が責任あるものとは今も感じられない」と述べつつ、そうした大衆扇動的な指導者について「やっかいで事実に基づかない議論でも、効果的に人々を動員してきた」と話した。
オバマ氏は翌16日の演説では…