試合後、肩を組んで記念写真に納まる大間の3年生3人。左から南、佐々木月、畠中
(18日、高校野球青森大会 八戸学院光星10―0大間)
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本州最北端のチームの、3年生3人の挑戦が終わった。
無安打で迎えた六回表1死。打席には3人の3年生のうちの一人、畠中(はたけなか)大輔が入った。速球にバットが出ず、見逃し三振。「光星学院の名前に引かないようにと思ったけど、球威や圧力が違った」
野球にかけた高校生活だった。大好きな野球を続けるため、遠征費や道具にかかる費用を自分でまかなうと決め、いそしんだのが新聞配達のアルバイト。1年生のときから毎朝5時に起き、配達に出た。
3年になったこの夏も変わらず続け、8強入りが決まった翌日の16日も、普段と同じように新聞配達に出かけた。「野球をやりたい一心。3年生でチームを引っ張ってここまで来たのは誇り」と振り返る。
エース佐々木月は緩急をうまく使って相手打者のタイミングを外し、16アウトのうち12をフライで取るなど、持ち味は発揮した。レフトの南怜は七つのフライを処理、走塁では一塁へのヘッドスライディングも見せた。
3年生3人はそれぞれ違う中学校の出身だが、野球を通じ友情を育んできた。南は「準々決勝のために泊まった旅館で3人部屋があったので希望し、3人一緒に過ごして健闘を誓い合った」と明かす。
3人の挑戦は終わったが、チーム初の8強入りを果たしたひたむきなプレーは鮮烈な印象を残した。
「熱い夏をありがとう」「こんなに長くスコアブックを書かせてくれてありがとう」。試合後のミーティングでは、感謝の言葉が3人を包んだ。=はるか夢(土井良典)