福島第一原発事故で福島県から横浜市に自主避難した中学1年の男子生徒(13)がいじめを受けて不登校になった問題で、横浜市の林文子市長は16日の記者会見で、学校側の対応が遅れた原因を調査するよう市教育委員会に指示したことを明らかにした。
「菌」「賠償金あるだろ」原発避難先でいじめ 生徒手記
市教委によると、関わった関係者へのヒアリングが中心で、年内に調査を終える方針。林市長は「なぜ今回のような状態に陥ったのか、防ぐためにこれからどうするのかを指示した」と話した。
問題を調査した第三者委員会の報告書などによると、学校側は男子生徒が小5だった2014年5月に加害児童らとの金品のやりとりがあったことを把握していたが、学校はいじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」とは判断しなかった。保護者が15年12月、市教委に調査を申し入れ、市教委は今年1月になって第三者委を立ち上げた。
男子生徒の両親は15日に発表した声明で、調査の遅れについて「学校・教育委員会の対応がままならず、時間ばかり経過し、私達(たち)は精神的に追い込まれました。それ以上に子供が追い込まれました。時間がかかりすぎました」との心境を明かしている。(大森浩司)