中国の銀行が発行する「銀聯(ぎんれん)カード」の偽造カードで不正に現金を引き出したとして、警視庁は、いずれも台湾籍の無職陳政憲容疑者(22)ら男4人を不正作出支払用カード電磁的記録供用と窃盗の疑いで逮捕し、17日発表した。いずれも容疑を認めているという。銀行関係者によると、今年の春以降、あるメガバンクは銀聯の偽造カードで数億円が不正に引き出されたという。
組織犯罪対策特別捜査隊によると、4人が逮捕、追送検された容疑は、今年5~10月、東京都品川区など都内全域に設置されたメガバンクの現金自動出入機(ATM)で、銀聯のデビットカードのデータを記録した偽造の磁気カードや他人名義の磁気カードを使い、計1605万円を不正に引き出したというもの。同隊は4人から偽造カード約130枚と正規の他人名義のカード約70枚を押収した。
4人は台湾で「日本で仕事がある」と約30万円の報酬で誘われ、短期ビザで日本に入国。日本にいた指示役から偽造カードを渡されていた。4人は現金引き出し役の「出し子」だが互いに面識はなく、別々に行動していたという。
同隊は、日本が不正引き出しの足場となっており、背後に「出し子」を操る犯罪グループがあるとみている。