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ビール缶片手に授業 予備校に文化吹き込んだ名物講師

作者:佚名  来源:asahi.com   更新:2016-11-19 19:55:12  点击:  切换到繁體中文

 

写真・図版


1997年ごろ、名古屋市内の河合塾で授業をする牧野剛さん=河合塾提供



■惜別 河合塾講師・牧野剛さん


9月に名古屋市であったしのぶ会で突然、教え子4人が遺影の前で猥歌(わいか)を歌い始めた。牧野さんに連れていかれたビアガーデンでともに歌ったという。その一人、映画監督の井上淳一さん(51)は「規範やルールを引っぺがしたところにあるものを見ろと言われた」と振り返る。教えを守り、福島の被災者を追ったドキュメンタリーを撮った。


名古屋大で全共闘運動に没頭した後、1976年に30歳で河合塾の現代文講師に。84年の共通1次試験の問題を的中させ、名をはせた。同塾の調査では浪人生の数は91年にピークの約30万人。数百人を前に、ビール缶を片手に授業した。


授業では、受験テクニックよりも作品の読み方や時代背景の説明にこだわった。高校の中退者を対象にしたコースや、大学の専門家を招いた研究所の設立にも尽くす。予備校に文化を吹き込んだとも言われた。


予備校は受験産業だからこそ、自由だと訴えた。塾生をデモに誘い、万博反対を掲げて自ら愛知県知事選に立候補したことも。元同僚の青木和子さん(69)は、リスクを避けて生徒を管理する公教育への批判があったとみる。「内へと向かう子どもたちのベクトルを外へ向け、可能性を引き出すのが教育だと言っていた」


2011年に脳梗塞(こうそく)で倒れるまで教壇に立った。少子化で浪人生の数はピークの4分の1に。予備校も変化を求められるなか、名物講師は20年度の大学入試改革の行く末を病床で気にかけていた。(増田勇介)



5月20日死去(誤嚥性(ごえん)肺炎) 70歳



 

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