大分県日田市立日隈小学校(同市日ノ隈町)の40~50代の男性教員3人が、学校敷地内全面禁煙の決まりを破り、校舎内で喫煙を繰り返していたことが、市教委への取材で分かった。事務室で鍵を借りた上で、ふだんは施錠している校舎1階の機械室で喫煙していたという。現校長が昨年4月に赴任してすぐ気づき、やめるよう何度か注意したが、聞き入れなかったという。
学校現場では、児童生徒の受動喫煙の防止のほか、「たばこを吸わない姿を先生が率先して見せることで子どもたちへの喫煙防止教育につながる」との観点から、分煙も認めず、学校の敷地内を全面的に禁煙とする動きが全国的に広がっている。県教委と市教委は3教員の喫煙について「問題がある行為」としており、今後くわしく事実関係を確認した上で、処分すべきかどうか検討するとしている。
市教委や日隈小の校長によると、教員3人のうち2人は2年前から、1人は昨年から、校舎1階にある、貯水槽などが入る機械室で休み時間や放課後に喫煙していたという。菓子の空き缶を灰皿代わりに持ち込んでいたという。機械室のある1階には職員室や事務室があり、児童の教室は2階と3階にあるという。
校長によると、赴任後に注意した以後も、3教員が機械室に出入りする姿を見かけて注意したが、やめなかったという。
市教委は、今月4日になって報道機関から取材を受け、学校に聞き取りをして事実を把握したという。
校長は朝日新聞の取材に「本人たちの自覚に任せていたが、止められず反省している」と話した。校長によると、3人は反省の言葉を口にしているという。
県教委は2005年4月、受動喫煙の防止について定めた健康増進法に基づき、県立高校、特別支援学校の敷地内での全面禁煙を実施。市町村教委にも促し、日田市内では05年度末までに全市立小中学校で全面禁煙となった。市教委は今回の件を受け、全面禁煙を徹底するよう市内の各校に通知を出した。(鈴木春香)