飯山線沿線にはカメラマンや見物客が多く集まった=19日午後1時ごろ、小千谷市岩沢
初冬の信越を44年ぶりに蒸気機関車(SL)が走り抜けた――。新潟県長岡市や十日町市、長野県飯山市など新潟・長野両県のJR飯山線沿線の自治体などが地域活性化を目的に企画した「SL飯山線ロマン号」。19日は雨混じりの天気の中、沿線はカメラマンや見物客でにぎわった。
“テツ”の広場
飯山線には1972年までSLが走っていた。4年前の十日町駅―長岡駅間のイベント運行で人気を博し、北陸新幹線開通で通過駅になることを危惧した飯山市や観光客を呼び込みたい新潟県の自治体などがJRに改めて要望し、実現。飯山駅―長岡駅間の運行は44年ぶりだ。
JR販売分は即日完売。長岡市が用意した市民向け148席分には、870席分の応募があり、抽選となった。
飯山駅を午前8時52分に出発したC11型SLは十日町駅などに停車し、午後2時47分に長岡駅に到着。父親と乗った十日町市の小学4年生、羽鳥優(ゆうし)くん(10)は「窓を開けたら白い煙から油のような匂いがした。ゆっくり走ったので景色もよく見られた」。
運行は2日間限定。20日は午前8時16分に長岡駅を出発し、同10時33分に十日町駅に到着。約1時間停車し、飯山駅に向かう。(伊丹和弘)