フランスのサルコジ前大統領=9月4日、仏西部ラボール、青田秀樹撮影
フランスのニコラ・サルコジ前大統領(61)が20日、政界を事実上引退する意向を表明した。来春の大統領選に向けた最大野党・共和党(中道右派)の予備選(第1回投票)で敗れたためだ。同党の候補者の座はフランソワ・フィヨン(62)、アラン・ジュペ(71)の両元首相が争う。決選投票は27日。
予備選は党員以外も参加でき、約400万人が投票した。得票率は、21日午前5時時点でフィヨン氏が44・1%、ジュペ氏が28・6%で、サルコジ氏は20・6%にとどまった。
サルコジ氏は開票半ばで記者会見して敗北を認め、「公人よりも私人としての生活に、より情熱を注ぐ時が来た。みなさん、さようなら」と語った。サルコジ氏は2012年に再選を阻まれて政界からいったん距離を取った後、17年の大統領選を目指して再起をはかっていた。決選ではフィヨン氏への支持を表明した。
予備選は、長い政治経験を持ち安定感を誇るジュペ氏、「右」に強いサルコジ氏がリードしてきたが、両氏の間に位置するフィヨン氏が終盤に猛追した。第1回投票での4割超の得票に加え、サルコジ氏の支持を得て決選投票を優位に進めることになりそうだ。(パリ=青田秀樹)