韓国大統領府報道官は21日、国会推薦の首相を受け入れるとした朴槿恵(パククネ)大統領の提案について「野党が異なる意味で要求している」と語った。事実上提案を撤回する考えを示したものだが、直後に「立場に変化はない。野党の主張に一貫性がないので、我々は見守るしかない」と釈明するコメントを発表した。
韓国検察は20日、朴氏が大企業に資金拠出を強要するなどの疑いを指摘したが、大統領府は否認し、朴氏は辞任に応じない考え。報道官の発言は世論を一層硬化させる恐れがあり、発言を修正したとみられる。
朴氏は8日、「国会で与野党合意で首相に適した人を推薦してくれれば、その方を首相に任命し、実質的に内閣を統括できるようにする」と語った。これに対し、野党は朴氏の即時辞任を要求。同時に、国政の空白を防ぐため、野党が主導する内閣の編成を求める方針を示していた。
一方、世論調査機関のリアルメーターは21日、朴氏の支持率が9・7%に落ち込んだと発表した。調査期間は検察発表前の14~18日だった。同社調査では前週の11・5%から1・8ポイント下がり、初めて支持率が1桁になった。韓国ギャラップ調査では支持率は5%まで落ち込んでいる。(ソウル=牧野愛博)