日産は系列の再編を進めてきた
日産自動車は22日、保有する大手自動車部品メーカー、カルソニックカンセイ(さいたま市、東証1部上場)の全株式を、米投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)に売却すると正式に発表した。カルソニックは日産系列で最大の部品メーカー。系列の再編を加速させて保有資産を整理し、自動運転など先端技術に開発投資を振り向ける狙いがありそうだ。
日産はカルソニック株の約41%を保有する筆頭株主。KKRは2017年2月に株式公開買い付け(TOB)を実施し、日産の保有株を含めたカルソニックの全株式を取得する方針。買収額は約5千億円にのぼる。TOBの成立後、カルソニックは上場廃止となる見通しだ。
カルソニックは熱交換器やエアコン部品などが主力。日産は部品の調達コストの削減を進めるため、汎用(はんよう)性が高く、調達先を替えやすい部品のメーカーは系列から外しており、今回の売却もその一環だ。一方、エコカーのエンジンや変速機、インターネット関連などの技術に強い企業への関与はむしろ強めている。
カルソニックの年間売上高は1兆円を超え、取引の8割は日産が相手だ。16年9月中間決算は過去最高益で、財務基盤も安定しているが、自動運転関連などの先進技術に対応した部品の取引を求められるようになり、従来の取引は先細りが避けられない。カルソニック側からも「日産の系列でこのままやっても5年、10年は続かない」(幹部)との声が出ていた。
KKRは日産以外に取引先を広…