海の中の世界が迫力あるタッチで描かれた=福知山市土師
京都府福知山市の福知山高付属中学校で13日、教室の黒板いっぱいにチョークで絵を描く「黒板ジャック」が行われた。巨大なナポレオンフィッシュやタコなどが色彩豊かに表現され、登校してきた1年生40人は目を奪われていた。
描いたのは福知山高美術部員10人と、昨春卒業した武蔵野美術大油絵学科1年の梶村帆香さん(19)。黒板を突き破って出現した海の中の世界を表現した。プロジェクトリーダーの一人、同高2年の田野島菜々子さん(17)は「あり得ないことが起こるという可能性を信じてほしいという願いを込めました」。
8色ほどのチョークを使い、11、12の両日をかけて完成させた。10種類ほどの魚はそれぞれが担当。ナポレオンフィッシュを描いた小林真君(17)は「色の濃淡などで迫力が出るよう頑張った」。梶村さんは「肉感あふれる色づかいで迫力ある作品に仕上がった」と後輩らをたたえた。
中学1年の雀部優依さん(13)は「すごいの一言」。山口剣真君(13)は「迫力があって、今にも飛び出してきそうでびっくりした」と話した。
黒板に描かれた作品はこの日昼に消された。
同中学の美術科教諭、幸田美知代さん(46)は「みんなで感情を共有し、チョーク1本でワクワク感を作り上げられることを知ってほしい」と話す。