ニューヨーク中心部にあるトランプ・タワー。左が宝飾品大手ティファニー本店が入るビル=3月3日、畑中徹撮影
米宝飾品大手のティファニーは29日、ニューヨーク5番街のトランプ・タワーに隣接する本店の売り上げが周辺の厳重な警備により、影響を受けていると明らかにした。繁華街に位置するこの店は世界全体の売り上げの1割近くを占める重要店舗で、思わぬトランプ・ショックに頭を痛めている。
特集:ドナルド・トランプ氏
同社は29日、2016年8~10月期決算を発表し、「ニューヨークの旗艦店(本店)周辺の警備強化で客足に影響が出ている」と指摘した。実際にどの程度影響が出ているのか数字は明らかにしていない。
トランプ・タワーの中にはトランプ次期米大統領の住居があるほか、最近は次期政権入りする幹部の人選で政財界の要人がひっきりなしに出入りしており、セキュリティーが強化されている。周辺の歩道にバリケードが置かれ、武装した警察官が警戒し、通行人の手荷物検査もある。
米国では年末商戦が本格スタートし、米小売業は年間の売り上げの4分の1をこの1カ月間で稼ぐといわれる。ティファニーにとっても稼ぎ時で、最重要店の客足減少は業績の足を引っ張りかねない。(ニューヨーク=畑中徹)