夫婦円満認定書を取った川口竜平さん、光さん
「家事ギャップ」ってご存じですか? 炊事や洗濯、掃除などを巡る夫婦間の負担の不公平感、やり方や考え方の違いです。共働き世帯が増え、家事分担も当たり前になりつつあります。どう解消すればいいのでしょうか?
「日南市長殿 わたしたち夫婦は、互いに助け合い 家事育児のシェアに積極的に取り組みます」。宮崎県日南市の会社員川口竜平(りょうへい)さん(26)、看護師で妻の光(ひかり)さん(25)宅には、こう書かれた「夫婦円満宣誓書」がある。
洗剤などを扱うライオンと日南市は10月から、夫婦円満都市推進プロジェクトを始めた。同社が市に、夫婦間の家事ギャップを解消するノウハウを提供する。関心ある市民は宣誓書を市に提出し、セミナーを受講。市から「夫婦円満認定書」をもらう。これまでに20組が交付を受けた。
川口さん夫妻はともに夜勤があり、家事分担は不可欠。ただ、光さんは「よく手伝ってくれますが、洗った後の食器を山積みにするなど不満もありました」。セミナーを受けた竜平さんは「衛生面から食器洗いのスポンジは乾かしたほうがいい、など初めて知ることが多かった。理屈がわかると、やる気になる」。
同市の崎田恭平市長(37)は2013年の就任以来、父親の育児参加に力を入れる。昨年、部下のワーク・ライフ・バランスに理解ある上司「イクボス」を宣言。今年は夕方から父親も子育てに参加することを促す「『ゆう』パパ運動」を呼びかけた。自らも共働きで2児の父。アイロン掛けなどをするという崎田市長は「共働きでは育児だけでなく家事参加も大切。夫婦円満が離婚の減少などにつながると思う」という。
■妻の3人に1人「やり直す」
夫婦間の家事ギャップの根っこにあるのが、家事負担割合の認識の差だ。ライオンが4月、20~50歳代の夫婦1千組を対象にインターネットで調査したところ、夫は自分が担っている家事の割合を平均34%としているのに対し、妻の認識は21%。13ポイントのギャップがあった。また、夫の家事のやり方に不満を感じたとき、妻の3人に1人は「やり直している」と回答した。
ギャップが最も大きいのが食事の後片付け。同社快適生活研究所の下谷由紀さんは「食器洗いは作業過程が見えやすい。妻側から見ると、やり方が大ざっぱ、自分とやり方が違う、水のムダ使いなどが不満の原因」。
一方で、それまで家事をしなか…