うっそうとした山中にある71番札所「弥谷寺」でお参りを済ませ、長い石段を下るツアー参加者たち(右列)=香川県三豊市、鬼室黎撮影
四国八十八カ所の札所の中で、香川県と徳島県の10カ所を1泊2日で巡る羽田空港発のお遍路のツアーが人気を集めている。関心はあるけれど大変そうと感じていた人たちが、手軽さや費用の安さに背中を押されて参加するようだ。ツアーの様子が知りたくて、10月に同行した。
午前7時に羽田空港に集まったのは男性5、女性29の計34人。高松空港到着後、移動するバスの車内で案内人の「先達」からお経や境内での作法を教わる。弘法大師と共に進むことを意味する「同行二人(どうぎょうににん)」と書かれた笠や白装束を身につけると、ばらばらだったツアー参加者たちが巡礼者の一団に早変わりした。
うるう年の今年は、88番の大窪寺(香川県さぬき市)から1番の霊山寺(徳島県鳴門市)の方向へと回る「逆打ち」の御利益が高いと言われる。1泊ツアーも、まず大窪寺へ行き、77番~71番と寺を回り、6番の安楽寺に寄って霊山寺で終える。2日目の夜に徳島空港から羽田に戻る駆け足の行程だ。本格的な「歩き遍路」ですべて回ると平均で50日前後かかるという。
札所に着くと、「納札(おさめ…