2020年最後の1日となった12月31日、中国の映画興行収入が200億元(1元は約15.95円)の大台を突破し、映画関係者に希望の光を与えた。中国国家電影(映画)局が2021年1月1日に発表した統計によると、2020年、中国の映画の興行収入は204億1700億元に達した。うち、中国国産映画が170億9300万元で、全体の83.72%を占めた。年間興行収入トップ10は、全て中国国産映画で、トップ5は「八佰(The Eight Hundred)」(31億元)、「我和我的家郷(愛しの故郷)」(28億元)、「姜子牙(レジェンド・オブ・ゴッド~封神伝説~)」(16億元)、「金剛川」(11億元)、「奪冠(LEAP)」(8億元)だった。新華網が報じた。
国家電影局の統計によると、2020年、都市の映画館の観客数は延べ5億4800万人。製作された映画の数は、フィーチャー映画531作品、総製作数は650作品だった。新規設置されたスクリーンの数は5794スクリーン、中国全土のスクリーン総数は7万5581スクリーンに達した。
統計によると、レベニューシェア方式を採用して公開されたハリウッド映画は22作品だったものの、興行収入は全体の20%にも達しなかった。業界関係者は、ハリウッド映画の人気が伸びなかった原因について、新型コロナの影響で中国と同時公開することができず、注目度が低くなってしまったことを挙げているほか、作品のクオリティ自体にも問題があったことは紛れもない事実だと指摘している。中国の人々は今、理性的に映画を選ぶようになっており、「ハリウッド映画」というだけの理由でそれをリスペクトすることはなくなり、おもしろい国産映画に対しても、より高く評価するようになっている。
映画「愛しの故郷」では、再び愛国の歌「我的祖国」が流れ、「国家の一員として国を愛し、国のために尽くす」という意識が2020年の中国映画で最も際立っていた。
9人の監督がメガホンを取り、約100人の役者が出演した同作品は、2019年の映画「我和我的祖国(My people, my country)」の成功の経験を引き継ぎ、細やかなエピソードから、貧困脱却の難関攻略や農村の振興などに身を投じる多くの庶民を描いている。笑いあり、涙ありのストーリーを通して、故郷の変化、祖国の素晴らしさを感じることのできる作品となっている。
管虎(グァン・フー)監督、郭帆(グオ・ファン)監督、路陽(ルー・ヤン)監督が共同でメガホンを取った「金剛川」は、中国人民志願軍抗米援朝出国作戦70周年に合わせた記念作品。米国と戦う朝鮮を支援する偉大な精神を発揚し、中国映画工業の実力が示されている。陳可辛(ピーター・チャン)監督がメガホンを取った「奪冠」は、中国女子バレーの数世代40年に渡る奮闘の歩みを描き、林超賢(ダンテ・ラム)監督の「緊急救援(The Rescue)」は、大型貨物船による火災事故で脱出不可能の船員たちを救助する救援隊の姿を描いている。許宏宇(デレック・ ホイ)監督の「一点就到家(Coffee or Tea?)」は、起業に奮闘する若者の青春の活力を描き出している。
また、中国国内における映画祭は規模や形式などの面で、新型コロナの影響を受けたものの、特別なスタイルで映画の魅力が伝えられる結果となった。上海国際映画祭や北京国際映画祭、海南島国際映画祭などの重要な映画祭はオンラインで各作品が上映され、新型コロナ対策が効果的に講じられたほか、各界の映画視聴のニーズが満たされた。(編集KN)
「人民網日本語版」2020年1月5日