真珠湾攻撃から75年を迎える記念行事で、額縁にサインをする退役軍人=6日、ホノルル、平山亜理撮影
日米が戦った太平洋戦争の発端となった旧日本軍によるハワイ真珠湾攻撃から7日(日本時間8日)で75年になり、ハワイで式典が催される。安倍晋三首相が27日に真珠湾で慰霊することが決まり、初めての日米共催の追悼行事も予定されるなど、「日米和解」ムードが高まっている。
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記念式典は7日朝、沈没した戦艦アリゾナを見下ろす真珠湾軍港の桟橋で、生存者や遺族、退役軍人ら約4千人が参加する。8日には真珠湾攻撃で戦死した日本兵と米兵をともに弔う日米共催の追悼行事もあり、約60人が参加する予定だ。
日系のデービッド・イゲ州知事は6日夜、ホノルルで開かれた記念行事のあいさつで「真珠湾攻撃は世界を変えた。だが、かつて敵同士だった両国が今は、世界をよりよい場所にするために協力している」と和解を強調。安倍首相とオバマ米大統領の真珠湾訪問に関しては、朝日新聞の取材に対し、「喜ばしいこと。価値観を分かち合い、次世代の両国の繁栄につなげてほしい」とコメントした。
オバマ米大統領も7日の声明で「最大の敵国ですら、最も緊密な同盟国になれるという証しとして、安倍首相とアリゾナ記念館を訪れるのを楽しみにしている」と強調した。
さらに首相の真珠湾訪問について「この歴史的訪問は、75年前は想像もできなかった同盟で結ばれた日米が、世界の平和と安定のために手を携えて協力していくことを示すものになる」と述べた。
式典に参加する生存者の一人、ジム・ドーニングさん(103)は「首相の訪問は、敵対した国が友達になれるという世界がならうべき良い例だ」と語った。(ホノルル=平山亜理)