女性の教育を禁じたタリバーン政権下の2000年、アフガン東部のジャララバードでは民家の裏庭などで目立たぬように、女児向けの教室が開かれていた。西垣敬子さんは女性教員の給料を払って支えた=西垣さん提供
紛争が続くアフガニスタンに20年以上通い、支援を続けてきた日本人女性がいる。兵庫県宝塚市の西垣敬子さん(81)。イスラム武装勢力のタリバーン支配下でも女性や子どもたちを支えてきた。ほぼ単身の渡航は計42回を数える。地道な活動は今年、アフガン政府から表彰を受けた。
■渡航42回 女性向け教室に資金
「裁判所に出頭せよ」。アフガン東部ジャララバードで2001年3月、西垣さんはタリバーンに呼び出された。民家の裏庭など約20カ所で支援してきた女児向けの「隠れ学校」が見つかった。タリバーンは女性教育を禁じていた。
刑罰を覚悟して出頭すると、ひげ面の男性判事が告げた。「実は私の妻も教員で子どもたちを教えている。援助してくれ」。拍子抜けし、給料を払う教員のリストに加えた。「タリバーンも自分の子に教育を受けさせたいんだと少しホッとしました」と振り返る。
学生の頃から海外への関心が高…