かつて唯一、弾劾訴追を受けた韓国大統領は盧武鉉(ノムヒョン)氏だ。権限が停止した63日間をどう過ごしたのか。
朴大統領の弾劾訴追案、可決 憲法裁判所が判断へ
特集:朴槿恵大統領の弾劾可決
自伝や側近の証言によれば、盧氏は最初の1週間をほとんど寝て過ごした後、残る日々は、大統領官邸の居室で読書にふけった。官邸を担当する付属秘書官たちが午後6時に退勤した後は広間で読書を続けた。権限代行者となった首相が、閣議や国家安全保障会議を主宰し、決裁も行った。
当時法相を務めた康錦実(カングムシル)氏は「あの時と今では随分違う」と語る。「当時は国民の意思を無視した弾劾訴追で、法手続きに非常に問題があった」。6割以上の世論が弾劾に反対し、弾劾訴追に抗議する集会も起きた。盧氏も裏山に散策に出かけた際、途中の休憩所から集会の様子を眺めていたという。
当初、盧氏に何も報告しなかっ…