平均台で新技を決めた杉原愛子=川津陽一撮影
体操の豊田国際最終日が11日、愛知・スカイホール豊田であり、男子の跳馬では、リオデジャネイロ五輪でこの種目の銅メダルに輝いた白井健三(日体大)が2連覇した。平行棒はリオ五輪団体総合金メダリストの山室光史(コナミスポーツ)が初優勝。リオ五輪で団体、個人総合を制した内村航平は左肩の故障などで欠場した。女子はリオ五輪代表の村上茉愛(まい、日体大)が平均台とゆかで優勝。平均台では、リオ五輪代表の杉原愛子(朝日生命)が国際体操連盟の採点規則に掲載されていない新技を成功させた。
■つま先立ちし2回ターン
幅わずか10センチの平均台。杉原は左足でつま先立ちし、右足を顔の前で持った状態で2回ターンをした。勢い余って少々回りすぎたが、E難度の大技を見事に決めた。
日本体操協会はすぐさま国際体操連盟に新技として申請した。認められれば、国際大会で初めて成功した選手という勲章を得られる。男子と違って女子は新技に初成功者の名前がつかない傾向にあるが、「成功してすごくうれしい」とトレードマークの笑顔で言った。
17歳。若さゆえだろう。疲労とは無縁で、団体4位に貢献したリオ五輪後も、試合続きの中で技の習得に励んだ。この日の平均台は宙返りで落下して4位だったが、「それも経験。挑戦したことが収穫」。伸び盛りの杉原にとっては、1年を締めくくる大会が、始まりの一歩となった。(金島淑華)