死亡した男性が寝泊まりしていた簡易宿泊所=13日夜、大阪市西成区、長谷川健撮影
日雇い労働者の街として知られる大阪市西成区のあいりん地区(釜ケ崎)で、簡易宿泊所の個室から現金約2千万円が見つかっていたことが捜査関係者への取材でわかった。住人の男性は死亡していて身元がわかっておらず、このまま利害関係者が見つからなければ、国庫に納められる。
捜査関係者によると、簡易宿泊所の管理人から9月18日、「4階の部屋から異臭がする」と110番通報があった。西成署員が駆けつけると、住人男性が部屋で自殺していた。施錠された室内に約2095万円が残されていたが、身元を示すものはなかった。遺体の状態から、死亡したのは8月20日ごろとみている。
11月30日付の官報に記された男性の特徴は身長168センチで40歳ほど。管理人によると、6年以上前から同じ部屋に住み、毎月2万4千円の宿代を払い続けており、「名簿にこの部屋の住人の名前は記されていなかった。会話らしい会話もなく、2千万円のことを知ってびっくりした」と話す。
大阪府社会援護課によると、身元不明の人が死亡した場合、残した財産は官報に掲載され、身内が名乗り出なければ、早くて半年後に国庫に納められる。(長谷川健)