クアラルンプールで23日、北朝鮮大使館から出てきた車を追う報道陣=AP
北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キムジョンナム)氏。13日に殺害されてから23日で10日が経ったが、マレーシア当局は身元確認を終えられていない。北朝鮮がマレーシア側の捜査に反発を強めるなか、照合できる指紋や歯型はなく、正男氏の家族からDNAサンプルを採取できるかが焦点となっている。
特集:金正男氏殺害
クアラルンプールの国際空港で顔に毒物を塗られ、殺害されたとされる正男氏の所持品から見つかった外交官用旅券の名前は、北朝鮮国籍の「キム・チョル」。記述通りなら、遺体は1970年6月10日に平壌で生まれた46歳の男性。実際の正男氏の年と言われる年齢より、1歳年上だ。
マレーシア政府は韓国政府の協力などで「遺体は正男氏」と発表した。一方、歴史の検証に堪える証拠を積み上げたい捜査当局や医療当局は認定を保留。カリド警察長官は22日、「私は金正男という名前を一度も使っていない。キム・チョルだ」と述べ、公の証拠に基づかない臆測を排除する姿勢を示した。
遺体の身元を確かめる際、国際…