高額ながん治療薬「オプジーボ」の肺がん患者への適正使用を促そうと、厚生労働省は14日、患者や病院の条件を定めたガイドライン(指針)案を中央社会保険医療協議会(中医協)で示した。無駄な薬の使用を避けて副作用のリスクを下げながら、医療費の抑制につなげる狙いがある。
指針案は日本臨床腫瘍(しゅよう)学会などと作成。一部の肺がんについて、体外診断薬で有効性を調べ、オプジーボと既存の抗がん剤の効果が同等と評価された場合、薬価の安い既存の抗がん剤を使うことを推奨。副作用の恐れのある患者への使用を控えるよう求めている。
一方、病院の条件としては、高度な治療ができる特定機能病院や、全国に約400ある「がん診療連携拠点病院」などに限定、専門知識のある医師の配置を挙げた。間質性肺疾患など重い副作用に対応できるように、CT画像診断の設備や24時間受診ができることも求める。