英国のハモンド財務相
政府系金融機関の国際協力銀行(JBIC)や日本政策投資銀行は、日立製作所が英国で進めている原子力発電事業に資金支援する方針を固めた。設計から運営までを担う日立の子会社に、融資などを行う。原発の輸出ビジネスに官民で取り組む姿勢を明確にする。
日立が日本原電と協定 英国での原発建設へ協力要請
日立の子会社は英中部に原発2基を建設する。2020年代前半の稼働を目指し、総事業費は2兆円超とされる。JBICや政投銀は、同社への融資や株式の買い取りを検討する。来年中に支援の大枠を固める。
英国では中国の原子炉の導入が予定されている原発計画もある。安全面などから逆風が吹く原発ビジネスに官民で取り組む姿勢を示し、受注競争を有利に進めるねらいがある。
来日したハモンド英財務相は15日、麻生太郎財務相と会談。原発事業への資金支援についても話し合ったもようだ。ハモンド氏は会談前、朝日新聞などのインタビューに応じ、日本の支援について、「前向きに考えてくれていることをうれしく思っている」と述べた。年内には、世耕弘成経済産業相とクラーク英ビジネス・エネルギー・産業戦略相も会談し、原発分野での協力を話し合う見通しだ。