高校とクラブユースの垣根を越えて、18歳以下(U18)の日本一を決める高円宮杯チャンピオンシップ(朝日新聞社後援)が17日、埼玉スタジアムであった。高円宮杯プレミアリーグ東地区を制した青森山田高が、西地区王者の広島ユをPK戦の末に下し、初優勝した。
青森山田高サッカー部、試合中にスパイク盗難被害
■OBのJリーガーから「アシスト」
青森山田高の好機は少なかった。ただ、体を張った守備で、危ない場面も多くは作らせなかった。信念の「失点しない戦い方」は大舞台でもぶれなかった。
PK戦を制し、黒田監督は「Jリーグの育成組織に比べれば、個の質は高くない。でも、粘り強く戦えば結果はついてくる。サッカーは技術だけでやるわけじゃない」と胸を張った。
ショッキングな「事件」も乗り越えた。チャンピオンシップ進出を決めた今月11日の試合中には、スパイクやGKグローブの盗難被害に遭った。だが、OBのJリーガー、鹿島の柴崎と櫛引が新品を用意してくれ、試合に臨めたという。
「この優勝は1年間の成果だけではなく、先輩たちが積み上げてきてくれたおかげ」。全国の常連でありながら、なかなか頂に届かなかった「雪国」の強豪。率いて20年以上になる黒田監督は、自分の言葉をかみ締めていた。