大リーグの大谷翔平選手が今季から使っているアシックスのスパイク。サイズは28.5センチ=兵庫県尼崎市
投打「二刀流」に挑む大リーグ・エンゼルスの大谷翔平選手(23)が、日米の野球ファンを熱狂させている。旋風を支えるのは、日本企業の技術と知恵だ。
大谷翔平、デサントに貢献 「強めの色も売上伸びる」
大谷選手が履く球団カラーの赤色のスパイクは、日本ハム時代と同じアシックス製。日本でプレーした昨季までは投球と打撃で2種類のスパイクを履き分けていた。つま先をマウンドで引きずる投球用は摩耗から守る必要があったからだ。
「履き替える手間や違和感をなくしたい」。そう考えた開発陣は2016年夏、投打両方で使えるスパイクの研究に着手。野球用では初めて化学素材「ポリウレタン樹脂」で全面を覆ったスパイクを開発した。
従来の人工皮革よりも丈夫だが、しなやかさに欠けた。そこで、つま先以外の部分を薄く加工し克服。開発担当の河本勇真さん(29)は「投球に耐え、打撃でもスイングの動きに合わせて柔軟に曲がる。まさに二刀流のスパイクです」と胸を張る。
日本の石庭をイメージした波打つような凸凹のデザインに、大谷選手は「米国でも日本の心を忘れません」と話したという。
アシックスの売り上げの約7割が海外で占める。世界の注目が集まる舞台の大谷選手の活躍で、ブランドイメージをさらに高めたい考えだ。日本での一般向けモデルの販売は7月から。
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