「デンカツ」での呼びかけの手順
原発の再稼働問題が争点になった10月の新潟県知事選と11月の同県柏崎市長選。県外からも特定の候補を応援しようと、ネットのツールを使って地元住民に電話をかけた人たちがいた。ツールの名は「でんわ勝手連(デンカツ)」。ネット時代の新しい政治参加の形は広がるのか。
東京都青梅市の保育士の女性(55)は柏崎市長選の間、スマートフォンでデンカツのサイトを開くのが帰宅後の日課だった。
デンカツは政治団体としても届け出ている。サイトに登録した人は市販の電話帳データをネットで共有し、デンカツが支援する候補者の「電話作戦」に参加する。サイトにログインすると対象選挙区の住民の電話番号がランダムに表れ、投票を呼びかける。通話が終わるたびに候補者を支持するか否かなどを送信、住民の反応も自動集計される仕組みだ。
「原発が再稼働すれば、柏崎の皆さんを不安にさせながら、電気を使わせてもらうことになる」。女性は、東京電力柏崎刈羽原発の再稼働反対を訴えた候補への投票を呼びかけた。原発の街での暮らしぶりを聞き、電話の相手と長時間話し込むこともあった。
昨夏、学生団体「SEALDs(シールズ)」が安全保障法制への反対運動を始めたのを機に、政治に興味を持った。デモに参加すると、通行人の多くは目を伏せた。「デンカツは直接対話できるのが面白い」
デンカツを始めたのは愛媛県今…