返還される米軍北部訓練場の区域の森=14日、沖縄県東村、朝日新聞社機から、時津剛撮影
日米両政府が21日、沖縄県の米軍北部訓練場(国頭〈くにがみ〉村、東〈ひがし〉村)の一部返還を共同発表した。返還される面積は、1972年の沖縄県の本土復帰以降で最大規模となり、日本政府は負担軽減の実績を強調する。ただ、沖縄では米軍輸送機オスプレイの事故への不安や政府対応への不満が募り、歓迎ムードには乏しい状況だ。
沖縄の北部訓練場返還、日米正式合意 本土復帰後で最大
「基地負担の軽減にとどまらず、跡地利用を通じた地域振興にも大きく寄与する」。安倍晋三首相は21日、首相官邸であった共同発表で胸を張った。返還される面積は訓練場の過半に当たる約4千ヘクタールで、沖縄県内の米軍専用施設の2割弱に相当。跡地をめぐり、地元は国立公園への指定や世界自然遺産への登録を目指し、政府も後押しする。
北部訓練場の返還は米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の返還などと共に、1996年の日米特別行動委員会(SACO)最終報告に盛り込まれた。地元の抗議活動などで先送りされてきたが、政府は、返還を実現させれば沖縄の基地負担軽減をアピールできると位置づけていた。
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