長崎県警に届いた「Y子の娘」からの寄付金が県の担当者(左)へ寄託された=長崎県庁 A子・S子が始めた善意のリレーは、いつしか暦をひとまわり――。長崎県警本部に「A子・S子」と名乗る人から、はじめて寄付金が届いてから、60年あまり。2人の友人「Y子」の娘が意思を継ぎ、今も寄付を続けており、総額は今年で約140万円になった。 昨年12月。「Y子の娘」と裏面に書かれた白い封筒が、県警広報相談課に届いた。「今年も来たか」。担当者は思った。現金5千円とともに同封された手紙には、冬の交通安全運動や県警職員の健康への気遣いの言葉が直筆で記されていた。 「Y子の娘」からの匿名の寄付は2004年12月から始まった。毎年7月と12月の2回、各5千円ずつが送られてくる。 県警は「Y子の娘」から16年に届いた計1万円を例年通り、「長崎県愛の福祉基金」に寄託。障害者のための芸術祭やスポーツ大会の運営に使われる基金だ。運用する県障害福祉課の柴田昌造課長は「継続した取り組みに心から感謝。障害者支援に役立てていきたい」と話した。 ■はじまりは1956年 県警にはじめて匿名の寄付が届… |
「A子・S子」から「Y子の娘」へ 匿名の寄付60年
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