定例会見で情報公開条例の改正などについて説明する小池百合子知事=6日、東京都庁
東京都の小池百合子知事は6日、都の公文書閲覧にかかる手数料を廃止する考えを明らかにした。都情報公開条例を改正して文書のコピー代も安くし、電子データは無料で提供する。都の情報公開度ランキングは全国最低クラスだが、小池氏は「東京大改革の一丁目一番地は情報公開だ」と述べ、都政の「見える化」を進める考えを示した。
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有識者による都の情報公開・個人情報保護審議会(会長=宇賀克也・東大院教授)での議論を経て、来年度にも都議会に条例改正案を提出する。
都によると、都は公文書1枚の閲覧に10円(1件の上限100円)を徴収しているが、他に閲覧手数料を取っている都道府県は香川と和歌山のみ。他の道府県が1枚10円としているコピー代は、同20円だ。このため、閲覧手数料は廃止し、コピー代も実費分の10円にする。電子メールやウェブによる開示の場合、無料で提供する。
全国市民オンブズマン連絡会議の2011年度の調査では、都の情報公開度ランキングは47都道府県のうち44位タイだった。同会議事務局長の新海聡弁護士は「閲覧手数料の廃止などは当たり前のこと。都の都合が悪い情報を出せるかが情報公開の要点で、そこまでやるリーダーシップを小池氏が発揮できるか注目したい」と指摘する。(末崎毅)