福袋を手に取る買い物客=2日午前、大阪市北区の大丸梅田店、小林一茂撮影
年末年始の百貨店の売り上げが好調だった。大阪地区の多くの店舗で、昨年12月と今月2、3両日の初売りの売上高(いずれも速報値)が前年を上回った。訪日外国人客向けが盛り返したこともあり、動きが鈍かった時計や高級ブランド品などが売れたという。
高島屋大阪店では、初売りの売上高が前年より7・3%伸びた。訪日客が利用する免税品での売上高が、前年の約1・5倍になったことが後押しした。免税品は12月にも同51・9%増えた。化粧品などの消耗品だけでなく、11月に日本最大級の時計売り場を作った効果もあり、高額品が売れたという。
高島屋の広報担当者は、円安傾向で日本での買い物に「お得感」が出ているとみており、「好調さは続くだろう」と強気だ。
あべのハルカス近鉄本店も訪日客向けが好調だった。化粧品や子供服など、免税品売上高は1月2、3両日の合計で前年の約1・5倍になった。2日の店全体の売上高は8億5千万円で、2013年の開業以来、初売りとしては最高額を記録したという。
訪日客以外の需要も盛り返しつつあるようだ。
阪急うめだ本店(阪急メンズ大阪を含む)は、初売りの売上高が昨年より15%増えた。不調だった婦人服やハンドバッグも売れたという。12月も、30万~50万円の宝飾品などを自分用に買う「ごほうび需要」が伸びたといい、全体の売上高は同3・9%増と5カ月ぶりのプラスだった。
ただ、ある百貨店関係者は「株高・円安のお陰だったのかは、はっきりしない」と話し、好調さが維持できるかについては、不安も漏らす。(中村光)