アレッポ東部のハイダリーア地区で、砲撃で激しく破壊された建物の間を歩く人々。ガスや食料などの救援物資を受け取って運んでいた=9日午後、アレッポ、矢木隆晴撮影
内戦が続くシリアの第2の都市で「最激戦地」と呼ばれたアレッポ。朝日新聞記者は9、10両日、反体制派の最重要拠点だったアレッポ東部に入った。アサド政権側の猛攻を受け、反体制派は昨年12月に撤退。政権側が制圧して以降、日本メディアがアレッポ東部に入ったのは初めてだ。
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アサド政権が支配しているアレッポ西部は目抜き通りに露店が軒を連ね、多くの買い物客が行き交う。赤、黄、緑……。店先には色とりどりの野菜や果物、地中海で取れた魚が並ぶ。家電販売店では最新のスマートフォンが売られ、レストランのテラス席では着飾った男女が水たばこをくゆらせている。
だが、いくつもの検問を越えてアレッポ東部に入った途端、人通りはなくなった。色彩豊かな「日常」から白黒の「非日常」に移った感覚を覚えた。
大通り沿いでは、多くの建物が、壁が引きはがされたかのように崩れ落ちていた。通りの両側には崩落した建物のコンクリート片がせり出し、焼けたトラックや自動車が放置されていた。崩壊していない建物にも、直径1メートルほどの砲撃を受けた跡や、銃撃でくぼんだ跡が数多く残されていた。
裏通りに入ると、4、5階建ての住居ビルが屋上から押しつぶされたように崩壊していた。壁が崩れてむき出しになった室内には、食卓やソファ、ベッドがそのまま。ガラス戸がなくなった窓でカーテンが風に揺れていた。
アサド政権関係者によると、政…