ドアン・ティ・フォン被告=ロイター
北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キムジョンナム)氏がマレーシアで殺害された事件で、実行犯の一人でベトナム人のドアン・ティ・フォン被告(28)が事件前の1月中旬、北朝鮮国籍の容疑者2人と同じ飛行機でカンボジアを訪れていたことがわかった。犯行の「予行演習」をしていた可能性がある。
関係者によると、フォン被告と同乗したのは、警察が行方を追うリ・ジェナム容疑者(57)と、リ・ジヒョン容疑者(32)。2人は1月6日にクアラルンプールからハノイに入り、同13日午前10時前にフォン被告とハノイを出発。ラオスのビエンチャンを経由するベトナム航空便で午後1時過ぎに、カンボジアのプノンペンに到着した。
その後、フォン被告については、15日まで滞在していたことが分かっている。
もう一人の実行犯でインドネシア人のシティ・アイシャ被告(25)も、1月下旬にカンボジアで計3回、2月にクアラルンプールの空港などで計7回の予行演習をしていたとされる。その際、カンボジアには北朝鮮国籍のリ・ジウ容疑者(29)が同行し、オ・ジョンギル容疑者(54)にも会っていたという。北朝鮮国籍の4容疑者が2班に分かれて行動していたとみられている。(ハノイ=鈴木暁子)