韓国の朴槿恵(パククネ)政権に批判的な作家や俳優らを列挙した「ブラックリスト」が作成された問題で、特別検察官は21日、趙允旋(チョユンソン)・文化体育観光相(50)と金淇春(キムギチュン)・元大統領秘書室長(77)を職権乱用権利行使妨害などの疑いで逮捕した。朴大統領をめぐる一連の事件で現職閣僚が逮捕されるのは初めて。
趙氏は2014~15年に大統領府政務首席秘書官、金氏は13~15年に大統領秘書室長をそれぞれ務めていた当時、ブラックリストの作成などに関わった疑いがもたれている。趙氏は今月、国会で開かれた聴聞会でリストの存在を認め、謝罪したものの、関与は否定していた。
ブラックリストは朴政権に批判的な文化人らを公的な支援から外すのが目的で、掲載された人は9千人を超えるとされる。これに対し、言論や表現の自由などを侵害するとの批判が噴出していた。
ブラックリストをめぐっては、特別検察官はすでに前文化体育観光相ら3人を職権乱用権利行使妨害などの疑いで逮捕している。今後は朴大統領の指示があったかなどを含めて調べる方針だ。(ソウル=東岡徹)