参院本会議で民進党の蓮舫代表の質問に答弁する安倍晋三首相=24日午前10時52分、岩下毅撮影
トランプ米大統領が環太平洋経済連携協定(TPP)から離脱するための大統領令に署名したことに関し、安倍晋三首相は24日午前の参院本会議で、「トランプ大統領は、自由で公正な貿易の重要性は認識していると考えており、TPP協定が持つ戦略的、経済的意義についても腰を据えて理解を求めていきたい」と述べた。その上で、「数年間の交渉を経て、TPP協定に結実した新たなルールは、今後の通商交渉におけるモデルとなり、21世紀の世界のスタンダードになっていくことが期待される」と強調した。民進党の蓮舫代表の質問に答えた。
萩生田光一官房副長官は同日の記者会見で、米国を除く11カ国でTPP発効を目指す考えについて「いまは考えていない」と否定した。
麻生太郎財務相は閣議後の記者会見で「新政権とは様々なレベルで今から協議をしていく。腰を据えて理解を求めていきたい」と強調。山本有二農林水産相は「トランプ政権は始まったばかり。周辺人事が決まり全体像が動き出せば、TPPについての考え方もおのずから変わっていく」と述べ、トランプ氏が重視する二国間交渉については「(日本は)あくまでもTPP優先だ。TPP発効を粘り強く働きかけていくことの方が現実的だ」と語った。