パネルディスカッションで話す(左から)スポーツジャーナリストの増田明美さん、車いすラグビーの池崎大輔選手、放送作家の鈴木おさむさん、日本ブラインドサッカー協会の松崎英吾事務局長=24日、東京都千代田区の有楽町朝日ホール、北村玲奈撮影
スポーツを通じた障害者と健常者の共生を考える「第2回朝日新聞障がい者スポーツシンポジウム~『文化』へと、ともに育もう」(朝日新聞社主催、三菱商事、TANAKAホールディングス協賛、スポーツ庁、日本障がい者スポーツ協会、東京都障害者スポーツ協会後援)が24日、東京都千代田区の有楽町朝日ホールであった。日本障がい者スポーツ協会の高橋秀文常務理事らが障害者スポーツの現状などを報告し、文化として根付かせるために必要なことを議論した。
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高橋常務理事は「この1年で障害者スポーツの認知度が上がり、行政、企業の支援が充実した」と現状を説明。「2020東京パラの全会場を満員にして、選手を『おもてなし』したい」と述べた。東京マラソン・レースディレクターを務める早野忠昭さんは東京マラソンが定着した理由を「走る人だけでなく、応援する人、支える人が、様々な立場で大会に参加しているという実感を得られる工夫をしている」と話した。
「『文化』として根付かせるために必要なこと」と題したパネルディスカッションでは、リオデジャネイロ・パラリンピックの車いすラグビーで銅メダルを獲得した池崎大輔さん、放送作家の鈴木おさむさん、日本ブラインドサッカー協会事務局長の松崎英吾さんらが登壇。池崎さんは自らの経験から「メダルをとって競技の認知度が一気に上がった。普及には結果が必要だと痛感した」。松崎さんは「競技の認知度が上がるのと同時に、障害のある子どもたちが当たり前のようにサッカーができる環境も作っていきたい」と話した。「障害者スポーツがまとう『かわいそう』のイメージを変えなければ」と指摘した鈴木さんは「特別な意味なんかなくても障害者がテレビに出演することが当たり前になる番組作りをしたいと思っている」と話した。
コーディネーターを務めたスポーツジャーナリストの増田明美さんは「仕事帰りに映画を見る感覚で、障害者スポーツを娯楽として観戦するようになれば文化になると思う」と呼びかけた。