民進党は27日、原発ゼロ基本法案(仮称)を策定することを決めた。脱原発の方針を法案によって明確にし、次期衆院選に向けて安倍政権への対抗軸を示す狙いがある。ただ、同党は脱原発派と容認派の両方を抱えており、具体的な課題について法案にどこまで明記できるかが焦点となる。
「これまでの民進党の原発の位置付けから一歩踏み込んだものを出したい。原発ゼロ基本法の策定を検討したい」。27日のエネルギー・環境調査会で、玄葉光一郎会長(福島3区)がこう表明した。「提案路線」を掲げる蓮舫代表が玄葉氏らに「(3月12日の)党大会で一定の方向性を出してほしい」と指示した。蓮舫氏が党大会で法案の骨格を発表する予定だ。
党内には昨秋、脱原発の世論を受けて共産、自由、社民3党推薦の候補が当選した新潟県知事選で主体的に関われなかった反省もある。衆院選では政権への対抗軸を明確に示そうと、調査会で議論を開始した。
民進はこれまで「2030年代原発ゼロ」を党方針としてきたが、玄葉氏はこの日の調査会後、「『30年代』からの前倒しを含めて可能ではないか」と記者団に語り、法案では時期を早める可能性を示した。
原子力規制委員会の安全確認を得た原発の再稼働を容認する従来方針についても「議論の対象になる」と語り、容認しない方針に転換する可能性も示した。調査会後の役員会では、脱原発派議員から「原発ゼロをもっと明確にすべきだ」との声も出た。