17日間に及んだ福岡県知事選の選挙戦は11日、フィナーレを迎え、再選を目指す無所属の現職、小川洋氏(65)と、無所属新人の後藤富和氏(46)は福岡市の繁華街で最後の訴えに声をからした。「経済回復を実感してもらう」「脱原発を宣言する」――。改めてそれぞれの主張を繰り返し、演説を締めくくった。
小川氏は午後7時、多くの乗り換え客で混雑するJR博多駅前に姿を現した。選挙カーから降りると、「ありがとうございます」と声をかけながら支援者一人ひとりに握手を求めた。
「いよいよあと1時間となりました」。マイクを握ると、選挙期間中に県内の全市町村で自らの政策を訴えたと説明。1期目の実績を強調したうえで「私がやらなければならないのは、経済回復を県民の皆様に実感してもらうこと」と再選に向けた熱意を語った。最後は「投票箱が閉まるまで、今まで以上のご支援をお願いします」と声を振り絞った。
一方、後藤氏が最後の訴えの場に選んだのは福岡市・天神の目抜き通り沿い。「橋やダムなど無駄な公共事業を見直すだけで子供の医療費を無料化できます」と、福祉の充実を主張した。暮らしの安全を守るために「福岡から脱原発を宣言します」と語りかけ、「子供たちの未来を守り、笑顔を残せる福岡県に変えます」と訴えた。
小川県政は弱者の声に鈍感だと批判を展開し「私は県民一人ひとりの声を聞いて県政に反映させます」と支持を求めた。支援者らから「ゴトウコール」が湧き起こると、「皆さんの熱い気持ちが伝わってきました。明日を笑顔で迎えましょう」と選挙戦を終えた。