高橋一生、役作りは信用しない ドラマ「カルテット」——贯通日本资讯频道
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高橋一生、役作りは信用しない ドラマ「カルテット」

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高橋一生=伊ケ崎忍撮影


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まさに「人気急上昇」「のっている」俳優と言って語弊はないだろう。昨年から目にする機会がぐっと増えた。1月開始のドラマ「カルテット」(TBS系、火曜夜9時)では、ひと癖あるビオラ奏者、家森諭高(いえもりゆたか)を演じる。松たか子と松田龍平が演じるバイオリニスト、満島ひかり演じるチェリストと、計4人で結成したカルテットが、一冬の共同生活を送る物語だ。家森という役柄や人生観について聞いた。


――大河ドラマにも出演中です。同時並行での撮影は大変ではないですか?


結局は自分のための時間ですね。プライベートが無い、というとらえ方ではない。もっと忙しくてもいいくらい。今までも作品を並行していたので、苦労は特にない。役柄の切り替えについても、現場に入ると周りの方たちが雰囲気を作ってくださっているので、別にこれといったスイッチングもなく、すんなりと入れているような気がする。


――ビオラ奏者の役です。楽器の練習はどうしていますか?


みんなばらばらにやったり、一緒にやったり。ビオラは楽しい。主旋律でもベースでもないから、表現のしようによっては奥行きを出せるパートだと思う。


――楽器の性質なんかも考えながら役作りしているのでしょうか?


僕が演じている諭高は、器用貧乏。でも、何でもできるがゆえの苦しみがある。必死にやらなくても済んじゃう部分に、変な思考が挟まっちゃたんだろうなと。いろんなこと考えて、立ち回ってというのが、諭高の性格にすごく影響していて、こだわりだとかが、すべて裏目に出ている。損をしてしまっているようにも感じる。


――カルテットの4人のなかでは、社会性があるようにも見えます。


諭高自身はそんなことも考えていなくて。自分で引っかかるものに口を出しちゃう人間だと思う。


――このドラマは、会話に一貫性がないように感じられて、それが妙なリアリティーを生んでいます。


それを思ってくれたら、たぶんすごく成功なのではないか。ラブ・サスペンスの作品と言われているが、実際の芯の部分は煙に巻かれている。今までのドラマなら(テーマは○○など)打ち出しがすごくあったと思うが、そういったものを、見ている人たちにゆだねるという作りができている。見る人が10人いたら、思うことが10人違うというドラマがあってもいいじゃないかと思う。


生々しさということでは、これは作られた生々しさではあるが、そのなかで(心動かされることを)ピックアップできるってすごく大事なことだと思う。虚構ではあるが、虚構の中に真に迫るところがある。見てくださっている人を刺激できればいいと思う。


――煙に巻かれるという表現は「カルテット」にぴったりですね。


軽井沢の土壌にも合っていますよね。ホワイトアウトするなかに、僕らがいる別荘がみえてくるような。常に煙にまいていて、雪に隠されている感じは、すごくすてきだなと思う。


■人間らしさ、凝縮されたシーン


――第1話では、「余命8カ月」とウソをついてライブハウスで演奏するピアニストを追い出した巻(松たか子)の行動について、口論になるシーンがありましたが、生々しい感じがしました。


あのシーンは誰一人、正しくも間違ってもいなくて、それが人間じゃないですか?という提示のシーンのように思う。正しさというものすら世の中にはなくて、(自分が)正しいと思う人たちがぶつかり合うから価値観っていうものが生まれる。人間のあいまいさ、善意悪意、真っ当だとか悪だとかいうものすらとてもあいまいなもので、それが人間ですよね、と。それぞれの人間らしさが凝縮している。


ああいった会話の後で、普通に演奏して、普通にご飯を食べて笑っているという、おのずと合致していく4人というのがまた、人間らしい。人間のヘビーなものをすごくライトに包んでいるのが、人間ぽいなと思う。坂元(裕二)さんの脚本は寓話(ぐうわ)的だったり、ドラマ的というか、写実的なものからかけ離れているはずなのに、やけに写実的にうつる瞬間がある。坂元さんは人間のあいまいさを常に書いていると思う。


――坂元脚本の作品にはこれまで何度も出演していると思いますが、カルテットで新しいと感じることは?


僕の役はキャラクター設定がない。よく「諭高ってどんなキャラ?」と聞かれるが、坂元さんの脚本は、「キャラクター」という言葉を崩しにかかっているところがある気がする。「この人はこういうキャラと、説明できる?」というところを書いてきている感じがする。それに対して、僕はこう思います、というのを坂元さんに芝居でお返ししている感じ。坂元さんとは話したりしない。そこでミスリードするのが嫌だから。台本とお芝居で会話するほうがいいと思う。


――わかりやすいキャラクター設定がある役柄より大変では?


もともと役作りというものを信頼していない。「この人だからこういう動きをしない」とか、そんなもんじゃない、人間って。昔、あるオーディションで長所は何か聞かれて「相手によって態度を変えること」と答えたら、「最低だね」と言われて。でも僕は、そう言う人の方がどうかと思った。だって、みんな相手によって人を変えているから。それだけ人って奥深くて多面的で。良かれと思って人を変えたり、良かれと思って動いたりしていると思う。


だから(○○なキャラクターといった)役作りを常に取っ払ってやりたい。素だと思われてもいいじゃないかと。決して素ではないですけど。脚本にあることに忠実に、自分の心のなかでフィルタリングして、表に出すという行為を続けている。僕ら俳優は脚本に依存している。だから今回の坂元さんの脚本では、役作りっていうことをバカスカ外している。



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