大手銀行3グループの2016年4~12月期決算が3日、出そろった。最終的なもうけを示す純利益は3グループ合計で1兆8362億円となり、前年同期より8・1%減った。日本銀行のマイナス金利政策による低金利に苦しんでいるが、今後は「トランプ相場」と呼ばれる円安株高といった明るい材料もある。
いずれも長引く低金利で貸し出しから得られる利益が減ったことが響き、最大手の三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)は、純利益が7869億円と前年同期比7・7%減だった。三井住友FGは同13・0%減の5446億円。みずほFGは、昨秋の資産運用会社の発足に伴って562億円の特別利益を計上したが、同2・8%減の5046億円だった。
一方、11月の米大統領選でトランプ氏が勝利後、米景気が拡大するとの見方から金融市場で円安株高が進む。12月末には3カ月前と比べ日経平均株価は2600円超上がり、円相場も16円超円安に。収益の約4割を海外で稼ぐ三菱UFJは、海外子会社の利益に足元の円安を計上しておらず「海外業績自体は好調。円安で円換算の利益が上ぶれする可能性がある」(広報)など、今後の業績改善に期待する声がある。(土居新平、藤田知也)