愛知県警が昨年4月、同県西尾市の男の自宅と貸倉庫からコカインや覚醒剤など計約7キロ(末端価格約2億1400万円)の違法薬物を押収し、大規模な密売ルートの捜査を進めていることが、捜査関係者への取材でわかった。他県警とも協力し、これまでに暴力団組員や海外マフィアら約30人を覚醒剤取締法違反容疑などで逮捕したという。
男は、覚醒剤取締法違反などの罪で起訴された無職増沢達哉被告(56)=名古屋地裁岡崎支部で公判中。
県警は増沢被告の取引先の捜査を続けており、5日には増沢被告にコカインを売ったとして、ペルー国籍の自動車販売業ヤマモト・カステイヨ・アラキ・イブアン容疑者(38)=愛知県知多市=ら男女3人を麻薬取締法違反(営利目的譲渡)の疑いで逮捕したと発表した。3人はいずれも容疑を否認しているという。
捜査幹部によると、増沢被告を端緒にしたこれまでの捜査で、ほかにも関東地方の複数の暴力団組員や国際犯罪組織が取引に関わっていることが判明したという。他県警が昨年10月、覚醒剤の調達役とみられるアジア系マフィアの男(28)を覚醒剤取締法違反(営利目的所持)容疑で逮捕するなど、末端の覚醒剤使用者を含めて計約30人を逮捕したという。
押収した覚醒剤は海外から密輸入されたとみられ、愛知県警は大麻とコカインの入手ルートの解明も進める。(山本恭介、松本龍三郎)