昨年8月、学生たちは上野公園のリオ五輪PV会場でボランティアとして活動した=日本外国語専門学校提供
1998年の冬、中島誠之(しげゆき)さんはボランティアを束ねるリーダーとして、長野冬季五輪・パラリンピックの選手村にいた。51歳の今は専門学校の講師。「オリンピズム(五輪精神)とは何か?」を授業で伝え、教え子たちに2020年東京夏季大会のボランティアリーダーになってほしいと願う。
日本外国語専門学校(東京都新宿区)で1月27日、中島さんが国際関係学科の学生たちに教える「オリンピック・パラリンピック学」の今年度最後の授業が行われた。
五輪賛歌、パラリンピック賛歌の合唱を終えると、「パラリンピックのシンボルマーク、『スリー・アギトス』の意味は? そう、『私は動く』。ラテン語だね」。授業は軽快な語り口で始まった。古代五輪は神事が起源で1200年近くも続いたこと、フランス人のピエール・ド・クーベルタン男爵が近代五輪開催を呼びかけたこと、スポーツを通じて心と体を鍛え平和な社会を築くのがオリンピズムの究極の目的であること。そんな話が続いた。
19年前の冬、個人塾を経営し…