事件に関与したとみられる2人の男の画像。19日にマレーシア警察が提供した=ロイター。その後の警察への取材で、事件当日の13日に空港にいた在マレーシア北朝鮮大使館のヒョン・クァンソン2等書記官(右)と高麗航空のキム・ウクイル職員だとわかった
北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キムジョンナム)氏が殺害された事件で、マレーシアの捜査関係者は23日、正男氏の遺体から微量の毒物の成分が検出されたと明らかにした。正男氏は13日、クアラルンプールの空港で顔に毒物を塗られて殺害されたとみられており、検出された物質が死因の特定につながるかが注目される。
特集:金正男氏殺害
関係者によると、検出されたのは「パラチオンメチル」とみられる物質で、目や鼻の粘膜から入ると死に至る可能性があるという。実行犯とされる女2人はクリーム状の物質を正男氏の顔に塗りつけたと供述しており、これがパラチオンメチルだった可能性がある。ただ、検出された物質が死因につながったかどうかはまだはっきりしておらず、捜査当局は慎重に調べを進めている模様だ。
一方、この事件の重要参考人とされる北朝鮮の外交官が、事件当日に現場のクアラルンプール国際空港で北朝鮮国籍の容疑者4人の出国を見送ったとみられることも、警察当局への取材でわかった。警察は、外交官の事件への関わりを具体的に示す証拠として注目している。
警察は、在マレーシア北朝鮮大…