スタジアムの奥に写るバックスタンドの後ろには海が眺められる
試合中、スタジアムを飛びだしたボールが、海へ――。そんな競技場が、北九州市に誕生した。関門海峡に面し、海の真横に建てられた「ミクニワールドスタジアム北九州」(北九州市小倉北区)。ボールが海に入るのでは、と予想されていた通り、18日のこけら落としのラグビーの試合でも「海ポチャ」があった。この光景、スタジアム名物になるか。
18日のスーパーラグビーのサンウルブズとトップリーグ(TL)選抜との強化試合。後半早々だった。TL選抜から出場したSO田村熙(ひかる、東芝)が自陣からタッチキック。高く蹴り上げたボールは、高さ約6・5メートルのバックスタンドを越えて海の方向へ。観客席からはどよめきが起こった。
目撃した北九州市の担当者によると、ボールは海に着水。岸壁から約3メートルの海面に落ち、ラグビー協会が用意していたゴムボートを使って無事回収した。
「海ポチャ」は選手も意識した。試合後、TL選抜のWTB山田章仁(パナソニック)は笑った。「『海ポチャ』を出来なかったのはすごく残念でした」
1月にJR小倉駅近くに完成した競技場は、サッカーJ3北九州の新本拠。Jリーグの本拠地では、全国初の海に隣接したスタジアムだ。観客席からは、源平合戦の舞台になった関門海峡を往来する船も見える。
海に最も近いのが、東側のバッ…