松井一郎大阪府知事
国有地の売却の経緯をめぐり、国会で疑念が指摘されている学校法人「森友学園」(大阪市)が運営する幼稚園について大阪府の松井一郎知事は28日、「今後、政治とつながっているような誤解を受けない教育をするよう指導する」と話した。園児が運動会の選手宣誓で「安倍首相がんばれ」などと連呼していたことに触れたもので、記者団の質問に答えた。
特集:大阪の国有地売却問題
森友学園の教育、野党が違法性指摘 首相も不適切と答弁
同学園が大阪府豊中市内に新設予定の小学校の敷地で、学園側が掘り出した産廃土の一部を埋め戻していたとされることについて、松井知事は「子どもたちの健康に悪影響が出るとなれば教育庁として認可できないことになる。市にきちんとチェックしてもらいたい」と話した。
また、この小学校設置をめぐっては、学園の籠池泰典理事長から2011年夏に要望を受けた後の12年4月に、府が私立小学校の設置認可の審査基準を緩和していた。幼稚園しか設置していない学校法人に借入金があっても設置を認める内容。
基準緩和後の14年10月、学園側から設置申請が提出された。小学校の設置認可の申請があったのは森友学園からだけという。
基準改正後、専修学校を設置する学校法人から通信制高校の設置申請が出された例もあるが、小学校設置は森友学園からの1件だけという。
この件に関し、松井知事は、「外から私学にどんどん入ってきてもらうためにハードルの高い部分を見直そうとした。学園から要望はあったが、小学校だけではなく高校の設置基準も緩和した」と話した。